OutKast
アンドレ(アンドレ・ベンジャミン)とビッグ・ボーイ(アントワン・パットン)の2人は93年、ヒップホップとサザン・ソウルを融合させ、サンプリングと生楽器演奏をミックスしたスロウ・ライドな「Player's Ball」で第一歩を飾った。もともとは『A LaFace Family Christmas』からのシングルとしてカットされたこの曲だったが、そのインパクトはまずヒップホップ・シーンで爆発、一気にアウトキャストの名を知らしめた。LaFace Recordsはこのシングルのヒットによりアウトキャストのアルバム・リリースを決定、そうして完成したファースト・アルバム『Southernplayalisticadillacmuzik』(94年)がヒットし、アトランタのヒップホップ・シーンは一気に熱くなっていった。そんなファースト・アルバムの大成功に続いて彼らはセカンド・アルバム『ATLiens』(96年)をリリース。サード・アルバム『Aquemini』(98年)は2人の星座である水瓶座(Aquarius)と双子座(Gemini)を掛け合わせた13番目の星座という造語タイトル。彼らの人気・知名度が本格的にジャンルの国境を越えたのが4枚目のアルバムの『Stankonia』(00年)だ。米軍のイラク侵攻を予見したような衝撃的な「B.O.B.(Bombs Over Baghdad)」に続いてカットされた「Ms. Jackson」は彼らにとって初の全米シングル・チャートNo.1を記録。MobyやEminemらとともに全米・ヨーロッパでスタジアム級ツアーを敢行した彼らはヒップホップ・ファンだけにとどまらず、ロックやビッグ・ビートのファンからも愛される類まれなグループとなった。過去に4枚のプラチナ・アルバムを持ち、ヒップホップ、ソウル、ジャズ、ワールド・ミュージック、ドラムン・ベース、レゲエ、ロックなどありとあらゆるジャンルを巻き込み、そのスタイルはもはや「ジャンル」というものでは括りきれない。03年には大ヒットシングル「ヘイ・ヤー」を収めた2枚組みの歴史的名盤『スピーカーボックス/ザ・ラヴ・ビロウ』をリリースし大ヒットを記録。そして05年、彼らも出演する映画のサントラを兼ねたニュー・アルバム『アイドルワイルド』をリリース予定。