より子
1984年5月13日生まれ。2歳で卵巣癌を発症し、闘病のために5歳まで病院で過ごす。闘病中の心の友は母からもらったディズニーのカセットテープと祖父から贈られたおもちゃのピアノ。遊び感覚でピアノを覚え、11歳で、ピアノとスーパーファミコンやプレイステーション用の作曲ゲームソフト「音楽ツクール かなで~る」を使って作曲をはじめる。この頃、「音や音階に制限がなく、自由に場面や感情を語れる」と、より子の心を捉えて離さなかったのはゲームミュージック。当時、作っていた楽曲も歌詞がついたものではなく、ゲームミュージックのようなインストゥルメンタル曲が中心だった。 16歳の時、初めて自分の楽曲に歌詞を乗せた「ほんとはね。」をきっかけに、シンガーソングライターとしての活動を開始。'05年、アルバム「Cocoon」でメジャーデビューを果たす。リードトラックの「それでいいのですか?」は、J-POPの世界では珍しいほどの辛辣なメッセージ性を持ち、現在でも多くの人を叱咤激励し続ける彼女の代表曲となった。また、タイトルチューンと言える「BERAK THE COCCON」では、DAITA(SIAM SHADE、BREAKING ALLOWS)がギターを担当。この共演をきっかけに、より子のシンガーソングライターとしての資質に惚れ込み、その後リリースされる「ダイアの花」でプロデュースを担当することになる。'06年、全国ツアーを目前に二回目の卵巣腫瘍を発病し、活動を一時休止。1ヵ月で復帰を果たす。 「Cocoon」以降、「second VERSE」「願う」「記憶」「My Soul」「GUARDIAN ANGEL」と続くオリジナルアルバムは、闘病生活を経たからこそ描ける生への輝きや自らの輪廻体験などを軸に、コンセプチャルに絡み合っている。時にはシアトリカルに壮大な世界を描き、時には日常の1シーンを切り取り、より子の等身大を見せる。深淵でありながら聴く人の心に寄り添う彼女の楽曲は、不変の魅力に満ち溢れている。