田中瑤子
田中瑤子1932年生まれ。幼児より父の手ほどきで、ピアノ、ソルフェージュ等の教育を受ける。東京藝術大学ピアノ科卒業。藤村るり子、福井直俊、ハンス・カンの諸氏に師事。1956年東京混声合唱団の創立に加わり、田中信昭氏(同団の桂冠指揮者)とともに、長年にわたり主な演奏活動に参加。1965年ニューユークへ遊学。その後たびたびアメリカ各地やヨーロッパ諸国へ演奏旅行を行う。数多くの合唱団や声楽・器楽の演奏家と共演し、アンサンブル・ピアニストとして活発な演奏活動を展開。また。独自の企画によるリサイタルや、新作の協奏曲の初演など、ソロ奏者としての活動も豊富である。とりわけ日本の現代曲の演奏において高い評価を得ており、数多くの初演を手がけ、多くの作曲家が暑い信頼を寄せていた。なかでも、三善晃作品の演奏と解釈には今なお定評がある。その確かなテクニックと深い音楽性に支えられた演奏は比類がない。合唱をはじめとする声楽作品やピアノ小品集など、多くの録音も遺している。代表作に、三善晃氏と共演したCD「こんなときに」などがある。1999年9月11日没。享年67歳。